【のんコラムvol.3】地震で倒壊しない 長持ちする強い家づくり 耐震等級 3 とは
こちらはパッシオパッシブスタッフによる
「【のんコラム】メルマガ」の内容を再編しブログにしたものです。
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Contents
耐震等級 1 でも OK !?
その界隈では常識のようなことも、
その世界を知らない人からすると
ビックリなことって結構あったりします。
耐震の話だと
「家を建てていい最低基準」、
どのくらいかご存知ですか?
これは建築基準法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)
で定められている耐震基準になりますが
“耐震等級1”です。
…えっ、“1”なの?って思いますよね^^;
いやはや、地震大国日本ですから。
耐震等級1と言えども
そこそこの強度はあると思いたい。
耐震等級1は
「数百年に一度発生する程度の地震で
倒壊・崩壊しない」レベル。
う~ん…
そこそこ、大丈夫…なのか??
「数百年に一度発生する程度の地震」は
震度6強~7が想定されています。
その規模の地震でも倒壊・崩壊しない、
というのは大丈夫そうに聞こえますが…
裏を返せば
「倒壊・崩壊しないけど、損壊はする」
ということ。
つまり
大きな地震が来たら倒れはしないけど
そこそこ壊れますよ、
と言っているんです。
大きな規模の地震の場合、
余震があったりして
複数回大きく揺れることも。
1回目の地震で
かろうじて耐えたとしても、
2回目・3回目の地震で
完全に崩壊・倒壊してしまう
ということも考えられます。
地震大国日本において住んでいる建物が
“耐震等級1”というのは
正直、心もとないと言えるのではないでしょうか…
耐震等級 3 とは ? 耐震等級 1 と 比較 してみると…
知っていて許容するのと
知らないのとでは大違いです。
お家も
デザインにこだわったり、素材にこだわったり…
自社のいい所を押し出して、
“耐震”や“性能”には
ほとんど触れていない会社が
あったりします。
復習ですが、
お家に関しての法律である
建築基準法で定められている耐震の基準は
耐震等級1。
「発生する地震に対して
倒壊・崩壊しない程度」
どんなお家も
耐震等級1で建っていれば
法律上はOKということになります。
こちらは
掲載されていた
耐震等級1、建築基準法レベルの物件と
耐震等級3、住宅性能表示取得物件の
被害状況比較のグラフです。
耐震等級3の家では
軽度の損壊があったのが12.5%で
ほとんどが無被害だったのに対して、
耐震等級1では全体の約40%が損壊、
そのうちの6.3%は大破・倒壊しています。
命を守るシェルターの役割もあるお家。
地震に耐え得る可能性が高まる
技術や施工方法があるのに、
「そこまで必要ない」と
お客様にあえて説明しない
という所があるんです。
お金がかかることをすると見積も施工も
金額が上がってしまうからですね。
闇が深い…。
真実を伝えた上で、
お客様が取捨選択するのならば
まだ納得がいくのですが…
気になることは直接会社の方に
会って聞いてみて下さい。
理由があるなら
きちんと答えられるはずです…!
耐震等級3 と 耐震等級 3 “ 相当 ” の 違い とは
お家づくりをしていても
実際の現場を見せている会社は
あまりありません。
なぜでしょうね?
理由は色々あるのだと思いますが…
多くは語らないでおきます…
パッシオパッシブは
お家づくりの施工に自信があるので
構造の見える段階から
お客様にお見せしています^^
構造計算を行い、
全棟で「耐震等級3」の
住宅性能評価を取得しています。
ちなみに時々聞く
「耐震等級3“相当”」をうたう会社。
「耐震等級3」とは何が違うのでしょうか?
簡単に言うと
「耐震等級3“相当”」は自称、です。
「耐震等級3」の家は
住宅性能評価機関へ申請を出して
耐震等級3の強度があることが
認められたお家。
「耐震等級3“相当”」の家は
独自計算で算出したデータを基に
「耐震等級3の強度があるよ~」と
自称しているお家。
…信じるか信じないかはあなた次第、
というところでしょうか^^;
申請費用を削減できる、という理由で
住宅性能評価機関へ申請を出さず、
「耐震等級3“相当”」
を謳っている会社も存在します。
ですが、
耐震等級3“相当”ではデメリットも。
住宅性能評価機関で
「耐震等級3」の認定が下りていないお家は、
住宅ローンや地震保険などで
金利や割引の優遇を
受けられないことが多いです。
また、
大きな地震に
どのくらい耐えられるのか、
実際にそれが
起きてみないとわかりません。
極端な話ですが、全然強度が足りなくても
「言うだけ言っとけ」で
耐震等級3”相当”と謳っている可能性も
ゼロではないので…
確かに申請費用の出費を
抑えることは出来ますが、
長期的に考えると
金銭面、安全面においても
実際のところ
あまりメリットは
ないのではないでしょうか。
これもお客様の選択です。
どの会社も「いい」としているものを
提供しているのですが…
全てが「いい」かというと
そうは言いきれない部分があります。
知った上で、選んでほしいなと思いますね…
「防災セット」 用意 してますか? 非常食 に ローリングストック の すすめ
トルコ南部で大きな地震がありました。
建物の倒壊や被災者の人数からも
地震の被害の甚大さが
明らかになってきています。
地震のエネルギーは阪神淡路大震災の22倍、
内陸で起きた地震としては
最大級の規模とも言われています。
地震大国日本に住んでいる私たちにとって
このニュースはとても
他人事とは思えませんよね。
日本で近く発生する可能性があるとされている
「南海トラフ地震」。
過去の南海トラフ地震は
平均約90年間隔で発生していて
前回発生の1944年から
70年以上が経過した現在、
発生の確率が高くなっていると言われています。
また、
日本政府の地震調査委員会は
2023年1月に
マグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震が
20年以内に60%程度、
30年以内に70~80%の確率で発生すると
確率を上方修正して発表しています。
文部科学省研究開発局地震・防災研究課 地震調査研究推進本部地震調査委員会
2023年1月13日公表 「長期評価による地震発生確率値の更新について」より
気を引き締めて地震に
備えていくことが大切です。
大きな規模の地震が発生すると
ライフラインの復旧などにも
時間がかかるため
水や食料なども1週間分は
備えておくことが理想とされています。
昨日私も災害の備えの確認をしたところ
非常食の賞味期限が
切れておりました…^^;
災害時の備蓄食料確保の考え方で
「ローリングストック」
というものがあります。
災害時の備蓄食料というと
賞味期限が長く長期的な保存ができる
「保存食」が思い浮かびますが…
私のように
気が付かぬ間に期限切れになってしまった、
ということも起こり得るのです
そこで普段から少し多めに
レトルト食品やパスタ、
インスタント食品などを買っておいて、
日常生活の中で食べながら
ストックしておく
というのが「ローリングストック」。
非常食はコストもお高め。
普段から美味しく食べられて、
備えられるならいいですよね!
最近は和食のお惣菜の
レトルト食品も出てきているようです。
私はあっさりしたものの方が好きなので
和食ローリングストック、
始めてみようかな~と思っています^^
お子様やペットがいる方は味によっては
食べてくれない…
となる可能性もありますので、
どれが自分や家族の口に合うか
いろいろ食べ比べながら
揃えてみてください*
また、
地震では建物が無事でも
家具が倒れてきてその下敷きになったり、
棚から落ちて割れた食器で
けがをしてしまったり、
ということが起きます。
家具の転倒防止のためのストッパーや
粘着型の耐震マット、
地震の揺れで食器棚が
開かないようにするグッズもあります。
家具などの転倒を完全に防げなくても、
逃げるための時間を
確保することができれば意味があるので
ぜひ取り入れてくださいね。
お手軽なものは100円均一の
ショップでも購入できます^^
地震で 新築 の 建物 が 崩壊 !?
「地震に備えて準備をしておきましょう」
というお話をしましたが…
…とはいえ
自分たちでできる備えには
限界があるのも事実、です。
食料の備蓄は
身の安全を確保できてから
生き延びるために必要な備えです。
いくら備蓄をしていても
建物ごと崩れ落ちてきてしまって
命を落とすようなことがあっては
元も子もありません。
トルコ・シリア地震でも
倒壊した建物の下敷きになって
亡くなった方が多くいます。
それほどに
規模の大きな地震であった
と言えるのかもしれませんが…
実は建物の多くに
構造上の欠陥があったため犠牲者が増えた、
という見方も出てきています。
トルコでは長年
新築の建物が安全ではないと言われてきていました。
「最新の耐震規制を全て順守」と謳われていた
トルコは過去にも大きな地震に見舞われ、
建築基準の改訂が行われてきました。
しかし
建築基準を順守しなくとも罰金を払うことで
事実上は
今後、違法建築を黙認していた
政府の責任が問われそうです。
国がらみでこんなことをされていたら
何を信じていいのやら…。
地震大国の日本は
規模の大きな地震が他国より多く発生しています。
国土面積が世界の0.25%であるのに
世界で起きたM6.0以上の地震の
約2割が日本で起きているのです。
内閣府 平成18年版 防災白書 「世界の災害に比較する日本の災害」データより
日本では
建物が規模の大きな地震にも
耐えられるように、
建築の耐震性能について
基準が見直されてきました。
現在の建築基準法での耐震基準は
「新耐震基準」と呼ばれ、
「旧耐震基準(~1980年)」と比較して
耐力壁の倍率が見直されたり、
耐力壁の量を増やしたり、
という決まりが出来たことで
耐震性が大きく向上しています。
最大震度6強を記録した阪神淡路大震災。
建物倒壊による“圧迫死”が死者の9割を占めました。
この甚大な被害をきっかけに
建物の耐震性について
強化を図るため制定されたのが「2000年基準」。
- 地耐力のある基礎をつくること
- 柱・梁・筋交い接合部に金物を取付けること
- 耐力壁をバランス良く配置すること
が義務化されたのです。
強度はどのくらい上がったのでしょうか?
2016年に発生した熊本地震では
最大震度7の地震が2回発生し、
(M6.5・M7.3)
各県で強い揺れが観測されました。
中でも震度7が2回観測された
熊本県益城町にて
建物の損壊・倒壊状況を調査した結果を
国土交通省が発表しています。
旧耐震基準で建てられた木造住宅が
倒壊率が28.2%だったのに対し
新耐震基準で建てられた木造住宅では
倒壊率は2.2%と被害が抑えられていることが
結果として顕著に現れました。
国土交通省-『熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会』報告書のポイント」より
建物強度の基準を
引き上げる施策を国がとったことで、
建てられる建物の
強度の底上げがされたと
言えそうですね。
住環境の向上のため、
断熱性能に関しても
さらなる基準の引き上げを
期待したい所です…
そんな日本では
建物が地震に耐えるための
技術も進化してきています。
建物が地震の影響を
受けにくくするための構造は主に3つ。
【耐震構造】
建物そのものの強度を上げ、
地震の揺れに耐えるように設計された構造
【制震構造】
地震の揺れを装置で吸収し
建物の揺れ幅を小さくするように
設計された構造
【免震構造】
地盤と建物を切り離し
間に装置を入れることで
揺れを建物に伝えないように
設計された構造
それぞれ地震による建物の損傷を軽減し、
倒壊を防いでくれます。
建物は命を守るシェルター。
住まう人の命を
奪うようなものであっては
いけませんよね。
当然コストのかかる内容ですが
地震対策は家づくりでは
最もあきらめてはいけない、
むしろ「やって当たり前」の部分です。
「今」だけでなく将来どうなるか?まで
考えておきたいですね。
土地 探し は データ だけじゃない! 土地 は「家づくり の プロ」と 探すべき
この水曜日、社長とmisaさんは
土地のご案内で徳島へ。
お客様から
「徳島なのですが…施工可能でしょうか?」と
お問い合わせをいただき、
現在土地探しからサポートさせていただいています。
数年前、トンネルが抜けたことで
パッシオのある丸亀から徳島へ
行きやすくなりました^^
これまで香川県下でのみのお家づくりでしたが、
トンネル開通で徳島の一部の地域であれば
施工可能範囲に。
徳島の方も西寄りの方は
もしかすると一緒にお家づくり
できるかもしれませんので
ご希望の方はお問い合わせくださいね^^
さて
香川は瀬戸内の雨が少ない地域ではありますが、
台風のような大雨ともなると
やはり住んでいる場所ごとに
河川の増水や土砂災害などに警戒・注意が必要です。
危険な場所は市町村が公開している
「ハザードマップ」で確認できますよ。
お家を建てる際の土地選びでは
大きさや価格、立地の利便性などに
目が行きがちです。
でも長く暮らすお家ですから
そこに暮らす人の命を守るもので
あってほしいですよね。
パッシオパッシブには不動産事業部があります。
土地探しの際にはもちろん
安心して暮らせる場所であるかも
確認してご提案しています。
ちなみに
パッシブハウスを建てるのに
最適な土地や設計を知っているからこそできる
土地探しもあるんです。
このあたりも社長ブログに解説あります。
気になった方は読んでみて下さい^^
▼社長ブログ土地編▼
耐震性・耐久性を高めるための工夫、
スマートウィン「佐藤の窓」を
ドイツから取り入れ、
日本で製造している理由…
お家の構造・性能について
深く知りたい方はもちろん、
よくわからない…という方にも
「なぜ、この数値が必要なのか」
「なぜ、このような構造なのか」
家を建てる前に
知っておいてほしいのです。
お家を強くするため、
断熱性能をよくするため、
環境に良い家にするため…
パッシオパッシブで採用している
材料・工法などには
全て“理由”があります。
それを聞いて、
「いい」かどうかを判断するのは
お客様です。
のんコラムではvol.1から
「長持ちする家」
について触れてきました。
お家を建てるのに
付加断熱・トリプルガラスの
パッシブハウスにすると、
家が長持ちして
結果的に様々なコストが抑えられます。
性能のいい家づくりの初期コストは
他の一般的な性能の家と比べると
性能がいい分少しアップしますが、
将来の出費を減らすことへの
投資であるとも言えます。
耐震に対しての
考え方も同じだと思います。
地震に強いお家をつくることは、
いつか来るであろう大きな地震から
そこに暮らす家族と
「家」という“資産”を守るための投資です。
もちろん、
100%はありませんから
確実性という面で
「絶対に壊れない」という
保証はありませんが…
今できることはやっておきたいですね。
スタッフ のん
▼まとめ記事あります▼