【のんコラムvol.1】断熱等級7の家:新築戸建ては付加断熱!高性能にしないと後悔する?長持ちする家とは
こちらはパッシオパッシブスタッフによる
「【のんコラム】メルマガ」の内容を再編しブログにしたものです。
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Contents
長持ち と 性能 と 結露 の 関係
立地的に自然災害に巻き込まれにくい
場所を選ぶこと、
地震に強い家にすることが
「家を壊さず、長持ちさせる」
というのは
なんとなくイメージつくかなと思うのですが…
実は家の「性能」は
「長持ち」にも関係があるんです^^
私はじめてこの話を聞いた時
「??」という感じでした。笑
性能と長持ちがどこでつながるんだ、と。
皆さん、冬場のお家で
窓ガラスが結露しているのを
見たことありますよね?
空気中に含むことができる
水分の量は決まっています。
気温が高ければ高いほど、
空気は水分を多く含むことが出来ます。
冬場、お家の中の空気はあたたかく、
水分をたくさん含んでいます。
しかし
窓ガラスの向こう側は外なので気温が低いですよね。
窓ガラスに当たった
お家の中の空気は冷えてしまい、
たくさん含んでいた水分が
空気では持ちきれなくなって
「水」となってガラスにつきます。
これが「結露」です。
この「結露」と同じことが
お家の中でも起こっている
と聞いたらどうですか?
木造のお家の躯体の大半は
あたりまえですが木です。
壁の中で結露して、
躯体の木が水分を含むと腐ります。
水分を含んで腐った木は…
どうなるかはお分かりですね?
劣化して、強度が落ちてしまいます。
※画像はイメージです
これを防ぐためにはどうしたらいいのか?
室内のあたたかい空気が外の気温にさらされて
冷やされないようにすると良さそうですね。
お家の中の躯体部分で結露したり、
水分を含んだ状態になったりするのは
熱が伝わる部分「ヒートブリッジ」があるから。
充填断熱でいくら断熱材を入れても、
柱などの部分を通じて熱が逃げてしまっては
この状態を改善させることは出来ません。
アルミのお弁当箱に
いくら熱々ホカホカのご飯を詰めても、
冬で気温が低いとご飯はすぐ冷めてしまいます。
アルミのお弁当箱自体が熱伝導率が高く、
ご飯の熱を逃がしてしまうからです。
充填断熱の部分がしっかり断熱できていても
木の柱の部分は断熱材より熱伝導率が高いので
そこから熱が逃げてしまいます。
「長持ち」「断熱」の大敵、
ヒートブリッジによる熱の逃げ問題を解決したい…
ならば、“付加断熱”しましょう!
ちなみに
充填断熱の施工自体がきちんとできておらず
隙間が出来ていたりすると
そこからも熱が逃げてしまいます…
付加断熱すれば
概ね熱逃げを防ぐことは出来ますが…
できればそんな施工の工務店に
お家づくりをお願いしたくないと思います^^;
でも施工がどうかなんてわからないですものね…
パッシオパッシブは
お家を建てることを検討されている方に
構造現場をご案内しています。
完成してからではわからない
お家の性能について、
断熱材が見える工程の段階で説明しています。
こちらは現場パトロールに同行した時の
壁の様子。
パツパツに断熱材が入っています。
現場パトロールでは施工中の現場を回って
施工の進捗や、
現場の材料・道具管理の状態などをチェック。
こちらの現場は
施工も丁寧、現場も整理整頓されていて
問題なし!でした^^
「お家は完成したものを見たい!」
という方がやっぱり多いです。
でも将来、後悔しないように…
お家づくりを考えられている人に
中身から伝えたいことが、
たくさんたくさんあるんです。
▼パッシオパッシブ代表佐藤のインスタ▼
この投稿をInstagramで見る
本当にいいものを作っている思いがあるからこその
ぼやきだなぁと思います…。
建てる段階からしっかりした施工を行い
付加断熱もすることで、
躯体が守られ、
構造部分から家の強度が下がることを
防ぎます。
結果的に家が長持ちして
長く暮らせるということですね。
構造現場案内は社長の解説付き。
気になった方はぜひ「構造現場見たい!」と
お声がけください^^
日本の 断熱 基準 の 現状 と これから
家の性能の指標としてよく使われている
断熱の性能指標
Ua値(外皮平均熱貫流率)は
家から逃げる熱の合計を家全体の表面積で割った平均値。
字面だけ見ると難しそうですが…
熱逃げの量が少ないほど数値が小さくなるので、
ざっくりいうと
Ua値が小さいほど「断熱性能のいい家」
ということになります^^
日本には
「平成28年省エネルギー基準」という基準があり、
日本を8つの地域に分けて
お家の断熱性能の基準を定めています。
香川も当てはまる
Ⅵ地域の基準は「Ua値0.87」
…これってどのくらいなの?
と思われるかもしれませんが、
断熱性能基準と謳う割にはなかなかに悪いです…
ちなみに
諸外国では Ua値0.35~0.45が基準になっています。
▼諸外国とのUa値比較▼
HEAT20:「設計WGからの報告 設計ガイドブック2016+の内容と新たな住宅外皮性能グレード」資料より
この基準の低さが
「日本は住宅において後進国」と言われる
最たる理由のひとつ。
ちなみにこの基準も義務ですらなく、
“努力目標”だったのです。
2025年からはこの基準を上回る断熱性能で
建てることが義務化されます。
これが最低基準となるのですが…
ようやく、という感じですね^^;
断熱性能基準の見直しが図られ、
さらに上位の断熱性能等級が設けられました。
パッシブハウスは
最高レベルの等級7にあたります。
「そこまでやらなくても…」と思いますか?
現状ただでさえ他の国よりも遅れているというのに。
住みだして30年後の日本の家の性能基準は
どのレベルにあるのでしょうかね。
今のうちから将来を見据えて、
お家づくりを考えたいですね。
パッシブデザインとパッシブハウスは何が違う?
ひんやりしてくると
太陽のぽかぽかが恋しくなってきます。
太陽光を活用したお家づくりで
よく聞かれるのが
「パッシブデザイン」と「パッシブハウス」。
その違いはご存知でしょうか?
どちらも
「自然エネルギーを活用し
少ないエネルギーで快適に暮らす」
という考え方で
設計されるお家です。
言葉が似ているし考え方も近いので
同じもの、
と思ってしまう方もいるのですが…
実は大きく異なるのが“性能”の部分。
「パッシブデザイン」は
太陽光や風などの
自然のエネルギーを利用して
夏涼しく、冬は暖かい
家づくりをする設計の概念。
または
その考え方で建てられた
家を指します。
「パッシブハウス」は
ドイツの
パッシブハウス研究所が決めた
明確な性能認定基準を満たした家です。
具体的には
年間冷暖房負荷が15kWh/m2以下であること
など、家としての性能が
高いことが求められます。
日本の家の性能基準は
世界基準で見るとまだまだ低いので、
性能に重きを置いて建てられている
パッシブハウスは
日本では数少ないのが現状です。
あたたかい飲み物を
急須や湯呑に入れたまま
置いておくとすぐに冷めてしまいます。
魔法瓶に入れておくと
長い時間、
ほかほかのあたたかい状態で
飲むことができますよね。
お家もこれと
同じ考え方ができます。
せっかく
太陽光で暖めた空気も
性能のいい入れ物に
入れてあげないと
すぐ冷めてしまいます。
パッシブハウスには
「付加断熱」があります。
断熱性能が高いので冬場は
暖房をほとんど使わなくとも暖かい
お家になるんです。
「付加断熱=お家の中の断熱材を増やす」
というイメージの方も
おられるかもしれませんが、
付加断熱はお家の中の断熱とは別に
お家をすっぽり包む様に
外から断熱することを言います。
冬、あたたかいインナーを着たり
重ね着したりすると
ある程度あたたかくはなりますが、
ダウンのような
しっかりしたアウターを着ることで、
ぬくもりを逃がさず
より快適に過ごせますよね。
お家も同じです^^
ちなみに
夏、私たち人間は厚着しませんが笑
お家は付加断熱をしておくと、
室内を涼しくすることで
クーラーボックスのようになります。
夏も涼しさを逃がさず快適な空間を保てるのです。
長持ちするお家にするために
ヒートブリッジをなくす。
ヒートブリッジをなくすためにも
「付加断熱しましょう!」と言ってきましたが、
付加断熱をすることで
そのお家に暮らす“人”にとっても
快適をもたらし、光熱費が削減され、
いいことだらけになるんです^^
Ua値 の 目安 とは? Ua値 だけで 比べるのは キケン!?
また電気代がグッと上がるということで…
政府から負担軽減策が取られることが
ニュースになっていましたが、
そろそろお家の性能の差が
顕著に「お金」に
表れるようになってきました…(フフフ
冬はパッシブハウスの恩恵を
ガッツリ受けられる季節。
太陽のエネルギーを受けて
ぽかぽかとお家を暖めることができるので、
暖房に使うエネルギーが少なくて済みます。
使うエネルギーが少なくて済むということは
環境にやさしいだけでなく、
電気代などの
支出を減らすことに繋がります。
パッシブハウスの主な指標は
「年間冷暖房負荷」。
冷暖房で使うエネルギー量で判断しています。
すごく極端に言うと
「家の中を快適な空間として保つために
どれだけ冷暖房にエネルギーを使わないか」
ということ。
エコな指標であると共に、
電気代と直結する数値として
見ることができるんですよね。
断熱性能を見るため、Ua値はもちろん大切です。
でも
「Ua値だけ」を見て
判断してしまう方も多いので少し残念に思います。
お家の性能指標はUa値がすべてではない、
ということも知っておいてほしいです。
パッシブハウスが冬でもぽかぽかなのは
南面の窓からの「日射取得」があるから。
ですが、
どんなに性能のいい窓でも
壁に比べると熱逃げしてしまいます。
復習ですが
Ua値(外皮平均熱貫流率)は
家から逃げる熱の合計を家全体の表面積で割った平均値。
家全体の表面積が同じなら
家から逃げる熱の量が少なければ少ないほど
その家のUa値は小さくなる、
ということになります。
つまり
窓をなくして
付加断熱した壁だけで家をつくれば
Ua値はめちゃくちゃ良くなります。
が、
そんな家イヤですよね。笑
かなり極端な例を出しましたが…
これが
「Ua値だけでいいのか問題」の案件のひとつ。
家の窓を小さくすればUa値はよくなります。
「Ua値が低い=いい家」という認識で家を選ぶと、
窓が小さい上、日射取得も考慮されておらず
「冬は暖房をつけないとお家が寒い…」
という思いをしてしまうかも。
ちなみに冷暖房の話で言うと
人が快適に過ごせる温度は
夏25℃、冬22℃と言われています。
気温とエアコンの設定温度の関係は
冷房:31℃→25℃(-6℃)
暖房:8℃→22℃(+14℃)
となるので(気温は香川の8月・1月の平均です)
温度差からもわかるように
冬の方がお部屋を快適温度にするのに
エネルギーを使います。
「南面に大きい窓のある、日射取得が考慮されたパッシブハウス」
と
「Ua値がすごくいい、冬暖房が必要な家」
あなたはどちらを選びますか?
スタッフ のん
▼まとめ記事あります▼